★★★ 準惑星から惑星への格上げも? 冥王星の議論が再燃中!
冥王星が公式に準惑星へ格下げされてから、もう5年も経つのですね! しかし、5年経った今も惑星の定義については、未だに議論が収束することがないようです。この5年間の間にも天文学の世界では、恒星を周回しない惑星が発見されたり、太陽系誕生の新しい変遷モデルが考案されたりしたこともあって、2006年当時よりも事情が複雑になってきているそうですよ。
そもそも、冥王星が準惑星に格下げされるキッカケになったのは、2005年にカリフォルニア工科大学のマイク・ブラウンさんが、冥王星の付近でより大きな天体「2003 UB313(現在は、エリス)」を発見したことにありました。この発見が大きな議論を呼び、2006年にチェコのプラハで開かれたIAU(国際天文学連合)の総会で、惑星に関する3つの定義が決められたのですね。
・太陽の周りを公転していること。
・自己の重力で球形になる位の十分な質量を有し、重力平衡形状になっていること。
・周回する軌道上の他の天体を排除していること。
その結果、冥王星、ケレス、エリスなどは、太陽系の天体として新しいカテゴリーの準惑星に属することになりました。
一方で、この定義が採択された当初から「周回する軌道上の他の天体を排除していること」については、定義が曖昧で主観に左右されるのではないかということが議論されてきたようです。また、そもそも惑星を数や定義で制限すべきではないといった考え方も一部の天文学者からは出ていたようですよ。そんな中、NASAゴダード宇宙飛行センターのマーク・クチナーさんは、惑星の定義や分類の新しい考え方を提案しています。
・恒星を周回する丸い天体を惑星と定義する。
・惑星は以下に分類する。
-地球タイプの陸地が存在する惑星
-木星タイプの巨大ガスの惑星
-冥王星タイプの氷の惑星
-恒星を周回しないタイプの浮遊惑星
うーん、この考え方はシンプルで、なかなかいいんじゃないでしょうか。
近年、惑星に関する議論が活発になってきていることもあって、2012年に中国で開催されるIAUの総会では、再度、惑星の定義に関する投票が行われる可能性がありそうです。個人的には、マーク・クチナーさんの提案が一部でも採択されるといいのかなと思いますね。
いずれにしても、惑星の定義が見直される可能性が出てきたので、冥王星が惑星じゃなくなってガッカリしていた人も、来年は明るいニュースがあるのかも知れませんよ!
Photo by NASA
冥王星はやはり惑星? 議論が再燃[ナショナルジオグラフィック]
(KENTA)