1:「Sales and Marketing」『Commercial Insights』

http://www.ibisworld.com/Common/MediaCenter/Dying%20Industries.pdf(pdfファイル)



固定電話で長らく通信市場を支配してきたAT&Tベライゾンなどの通信キャリア(Wired Telecommunications Carriers)はモバイルとインターネットの登場によって固定電話の収益が急速に衰退しています。収益力は2010年で1540億ドルと大きいようにみえますが、2000年の末の3418億ドルから54.9%も減り、今後の6年でさらに37.1%減少すると予測されています。



またデジタルメディアやインターネット、モバイルが支配的になったことで、新聞出版(Newspaper Publishing)、レコード店(Record Stores)、DVD、ビデオレンタル(DVD Game and Video Rental)、写真現像(Photofinishing)などの産業も著しく衰退しています。

これらは技術革新によって必然的に引き起こされる現象なのでしょう。新しい技術を持つ会社が市場を奪っていく一方で、変化に対応できない会社は衰退していく。



繊維・アパレル製造(Apparel Manufacturing)の衰退は廉価な輸入品に対抗できなくなったことによります。日本も含めた先進国のアパレル産業はどこも同じ問題を抱えています。中国や東南アジアで作られる廉価品に対抗するには、これらの国々に生産拠点を設けるしかありません。これができない会社が次々と倒産しているようです。



米国特有の事情で衰退が著しいのがプレハブ住宅業界(Manufactured Home Dealers )です。住宅バブルでこの業界は躍進しましたが、サブプライムローンバブルが弾け、リセッションが到来したことにより現在も低迷が続いています。



余談ですが、米国で著しい衰退産業の一つに数えられている写真現像ですが、これは日本でも同じことです。衰退のトリガーを引いたデジタルカメラが本格的に一般に認知されはじめたのが、1994年にカシオが発売してからです。これ以後、各社が相次いでデジカメ市場に参入し爆発的に売れたことにより、街のいたるところで見かけた写真現像店の多くがあっという間に姿を消しました。

さて、デジカメが市場を席巻する前のフィルム市場において世界を二分していたのが米国のコダックと日本の富士フィルムでした。フィルム市場が大幅に縮小してしまった現在、両社の経営状況はどうなったのでしょうか。株価で比較してみます。

米国で衰退が進む10の産業

※全ての画像が表示されない場合は、こちらをごらんください。

http://getnews.jp/archives/124194



デジカメの登場は両社の経営に大きなダメージを与えました。富士フィルムはフィルム技術を応用した医療画像、内視鏡、液晶フィルムへ転換したり、自社開発や他社買収で医薬事業の強化をはかるなど、多角化による生き残りを模索しました。フィルム事業がピークだった頃の圧倒的な強さは今ではありませんが、事業環境の変化を乗り越えることに成功しています。

一方のコダック。事業継続が危ぶまれるレベルにまで低迷してしまっています。



執筆: この記事はぐっちさんのブログ『投資十八番』からご寄稿いただきました。



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