★★★ “恋に落ちた”という理由で逮捕された犯人たち

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今回は震災で被災された方、テレビやネットの見過ぎで情報過多になって疲れてしまった方に、 肩の力が抜けるようなネタを提供させていただきたい。



世の中には、信じられないようなおバカな事件が数多く存在する。そんなおバカ事件の中でも、“恋に落ちたせいで逮捕されてしまった”という何だかかわいい犯人たちの事件を紹介したい。



この犯人たちは欲望の赴くままに犯罪を行った後、被害者を好きになって、さらに思いを成就させようとしている。普通なら罪の意識に苦しめられるものなのに、とてつもなく図太い神経の持ち主たちである。そんな彼・彼女らの“全く共感できない行動”を見て、ぜひ犯罪者と自分との神経の違いを確認してほしい。



まずは、イタリアで起きた事件から。*1



・お金は盗めても、女性の心は盗めない。

強盗に入った郵便局でレジ係をしていた女性を好きになってしまった犯人。目的達成後も彼女のことが忘れられず、再度その現場に出向くことに。もちろん、ただ出向いたわけではなく告白するつもりでいたため、女性の前で花束と一緒に愛の言葉もプレゼント。



しかし結果は、“警察に通報”という形で完膚なきまでに玉砕。受け入れてもらえないばかりか、告白したことで逮捕までされてしまうとは、まさに踏んだり蹴ったりのフラれ方である。



それだけならまだしもこの犯人、花束は盗んだお金で買ったものだったことが後から発覚。お金を返して告白するならまだしも、盗んだお金を遣って告白とは何とも図々しい犯人だ。ロマンチックではあるが、“身のほど知らず”とはまさにこのことだろう。



続いて、台湾で起きたおバカ事件。*2



・ただ彼女が欲しかったから強盗したのかも。

今度の犯人は、被害者のバッグに現場で再会希望と書いたメモを忍ばせるという、大胆不敵な自信家タイプ。お金をとろうとして刺傷させた被害者の女性があまりにかわいかったという理由で、病院に連れて行った後、謝罪の意味も込めてそのメモを残したとのこと。



犯人の指示通り、そのメモを見た女性はちゃんと現場に戻ってきてくれた。しかし、メモには「一人で来い」と書かれていなかったため、現場に戻ったのは彼女一人ではなかった。そう、彼女は謝罪の言葉を警官と一緒に聞きたくて戻ってきたのである。



確かに、例えお金をとられなかったとしても、自分にケガを負わせた人と二人きりになれるわけがない。『AFPBB News』によると、警官の一人は「容疑者は被害者に愛を告白しようとして逮捕された。普通はありえない事件」と語ったとのこと。「君のことを好きになったから、ケガを負わせた僕を許してほしい」なんて都合が良すぎる話だ。



最後は、中国のドラマみたいな詐欺事件のご紹介。*3



・恋の上級者は、まず外堀から攻めていく。

この事件は、女性の詐欺師が本当の恋を知ったことで逮捕されたという何とも切ないケース。詐欺師である犯人は、偽りの名前と職業で、ある男性が出した結婚相手募集の新聞広告から連絡をとった。電話やショートメッセージなどで連絡を取り合い、会わずに愛を育み、父親が男性とのことが原因で自殺したというウソで葬儀費用を要求したり、誘拐された自分を解放するためだと偽ってとある学生との関係を強要するなどした。



しかし、この学生こそが実は犯人。妊娠したとウソをつき、結婚しようとしたところ、女の不可解な言動を怪しく思った被害者とその家族に身分を調べられてウソがばれ、警察によりあっさり逮捕。



『ナリナリドットコム』によると犯人は、「金銭をだまし取ろうとして(被害者の)李さんに近付いたものの、いつしか李さんのひたむきさに心がひかれるようになり、本気で李さんと結婚しようと考えるようになった」とのこと。



好きになってしまったのなら、もうウソをつかなきゃいいと思うのが普通の感覚のはず。何故いつかはバレるウソをつき続けても、被害者と結婚したかったのだろうか。結婚詐欺師であるにも関わらず、かなり“恋は盲目”的な一途過ぎる犯人である。「今までだましてきたけど、本当はあなたを愛してる」なんて言われて、受け入れられる男性は世の中に一体どれぐらいいるのだろう。



こうやって見ると例え犯罪者でも、恋する気持ちは抑えられないものであることがよくわかる。恋に障害はつきもの。だから自分の罪を知りながらも、気持ちを相手に伝えたくなってしまうのだろう。



人を好きになることに罪はない。ただ、犯した罪と好きになった相手が問題なのだ。



法を犯すことは許してはいけないこと。しかし、“恋に落ちた”という理由で逮捕された犯人にちょっとだけ同情してしまうのは何故だろう。犯人たちには是非、罪を償った後で今度こそ真っ当に新しい恋をしてもらいたいものである。



イラスト

寺田めぐみ http://megumi-terada.com/



参考