★★★ AppleのiPadが未だに無敵である理由

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編集部注:Jim Dalrympleは、15年以上にもわたってApple関連の記事を執筆しているライターだ。Twitterアカウントは@jdalrympleThe Loopというウェブサイトも運営している。

AppleiPadをリリースしてからほぼ1年が経過した。そしてiPad2の発表を間近に控えている。そうした中、iPadに競合するプロダクトが出てきていないのは当然のことだろうか、それとも驚くべきことなのだろうか。

Appleの独り勝ちという状況を招き、他社の追随を許さぬ状況になっていることにはもちろん理由がある。それはすなわち「インフラストラクチャー」と、ハードウェアとソフトウェアの両面提供による妙といったところにまとめることができると思う。他社は最初からAppleの地位奪還を狙うのではなく、2番手争いに終始しているとう状況にあるのだ。

詳しく見ていこう。

Appleタブレットを発明したわけではない。しかしライフスタイルにタブレットというコンセプトを導入したのはAppleだ。他社もiPadの発売開始以降、Appleが提案したライフスタイルを追いかけているという状況だ。

Appleが提示したスタイルに追随するという現在の状況は、他社が結局Apple以上のものを提案できないでいるということだ。ただ追いつこうとしているだけなのだ。Appleは自社をタブレットの分野でNo.1とするためにできることはすべて行ってきた。しかし他社はAppleの地位を脅かそうという気概すらもっていないのだ。

アイスホッケーの世界には次のような言葉がある。すなわち「パックのある場所を追いかけてはいけない。パックが行くところに進め」というものだ。現状は誰もマーケットがどういう方向に進んでいくのかを見極めようとはしていない。マーケットが既にある場所に集まってきているだけだ。そしてそういう中、Appleがパックの行方をコントロールしていると言える。

Appleの影から抜けだそうとしない限り、結局はNo.2より上の地位を狙うことはできない。現在はまさに身を摺り寄せてAppleの影からはみ出さないようにしているという状況だ。

しかしそうは行ってもタブレットというのは皆、似た形状にならざるを得ない。そのような中、Appleが独自の地位を獲得したのはなぜだろうか。ひとつにはOS単体を手がけているわけではないという点に理由がある。GoogleのHoneycombがいかに優れたものであろうとも、多くの企業がGoogle製のOSを使うようになろうとも、それでGoogleの優位が生まれたりはしない。

AppleはOSとハードウェアをともに手がけている。AppleiOS面での進化を生み出せば、その成果はすべて自社の利益として還元される。成し遂げた成果が外部に漏れでてしまうことはない。

Apple以外にもタブレットとOSの双方を開発している企業がある。HPとRIMの2社だ。ただ、未だこの2社ともに、何も成し遂げてはいない。

RIMは昨年9月にPlayBookをアナウンスした。1月にはPlayBook 4Gをアナウンスし、2月にはPlayBook 4G LTE、HSPA+、およびMobile WiMAXモデルのアナウンスを行った。しかしここまで市場には何も出てきていない。RIMはともかく何かを市場に出すところから始めるべきだと思う。

HPのWebOSはなかなか興味深いものだ。誰もがWebOSこそが消費者に受け入れられる可能性を持つものだと述べている。しかしHPはTouchPadのイベントにおいても、詳細を明らかにはしなかった。価格も明らかにならないうちは、マーケットでどうした位置を締めることになるのか全くわからない。

モトローラXoomを発表したが、好意的なレビューばかりというわけでもないようだ。RAZRのように消費者に受け入れられるのかどうかは不明だ。

OSとハードウェアの双方を手がけるAppleの長所をなんとか凌ぐことができたとしても、それでも「インフラストラクチャ」の問題がある。

AppleiPadの開発を始めたのは、ここ1、2年のことではない。ほぼ10年にもわたって開発を進めてきたのだ。開発を進めつつ、iTunesもリリースした。ここで音楽やビデオを扱うための基礎作りを行い、それが現在にも影響している。

iTunesでは音楽、映画、TVショー、および教育用コンテンツなどを購入することができる。つまりAppleはワンストップショップを提供しているわけだ。購入してダウンロード、同期して何でも一緒に持ち運べるようにしてしまったのだ。

このiTunesの他にはApple Storeもある。Appleはあらゆる領域をカバーしており、見たところ欠落なくサービスを展開しているようだ。

今後6ヵ月のうちに、競合各社からも多くのiPad対抗製品が出てくることだろう。しかしそうした機種もiPad 1に競合するものに過ぎないだろうと思われる。AppleiPad 2をリリースし、そしてさらにiPad 3へと繋がっていく。

AppleのR&D部門は既に1年先を行っている。近いうちに他社によって地位を脅かされるということはあり得ないことのように思える。

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(翻訳:Maeda, H)





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